人生には理由がある
vol.14 後編 アーティスト/仲万美さん
仲万美/アーティスト
自分らしく生きることで
唯一無二の存在に
アーティスト/仲万美さん
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映画のオーディションに合格
女優としての活動をスタート
ダンスを辞めて自分になにができるだろう。そう考えていた矢先に舞い込んできたのが映画「チワワちゃん」のオーディション。演技はまったくの未経験でしたが、見事に役を射止めました。
「正直怖かったです。演技ってどうするの?台本ってどうやって覚えるの?って。でも、躊躇していたらもったいないし、わからないことは聞けばいいじゃんって」
数々の大舞台を経験して、培った度胸で少しでも疑問に思うことはすぐに質問して、教えられたことをぐんぐん吸収。「何も知らないからこそできた」と、当時を振り返ります。
それでも初めての演技では壁にぶつかることも。どうしてもキャラクターの気持ちがわからない。そんなとき、監督にこう言われたそうです。
「万美はどう思う?万美の感覚でいいんだよ。だって万美はキキ(役名)なんだから。思うようにやってみて」仲さんの魅力は「心のままに自由に伸び伸び演技できること」監督をはじめ素敵なキャストやスタッフに恵まれ、仲さんの女優デビューは大成功。劇中で披露された仲さんが振り付けを担当した「チワワダンス」も大きな話題になりました。仲さん自身も手応えを感じ「演技ってこんなに楽しいんだ!って、思いました。時間をかけて好きなことを探そうと思っていたのに、すごく早く見つかったんですよね(笑)」
その後、舞台「ROCK OPERA『R&J』」のヒロイン・ジュリエット役、映画「ドリームズオンファイア」の主演など立て続けに演技の仕事が舞い込み、女優としてのキャリアは順調そのもの。「今は演技がすごく楽しい」と話す仲さんの前には今、ダンスにこだわり続けていた時には見えなかった景色が広がっています。
最後に、「表現者」として仲万美さんが大切にしていることを聞いてみました。「あまり意識はしていませんが、人と比べることはしないようにしています。誰かの真似をしてもオリジナルには勝てませんし、仲万美という人間が、好きな服を着て、好きな化粧をして、好きな事をする。それが私の表現になるし、そもそも人はみんな表現者なんです。それぞれ、違う顔、体、思考、行動、癖を持っていて、同じものは一つもないし、比べる必要もない。私は私のままで愛されていることを実感していて、それがすごく嬉しいんです。アンチの存在も、好きでいてくれる人がいるという事実があるから、凹まずに済むんです」。
「私のままでいることで愛される」その自信はどこからきているのかを尋ねると、「自信はないんです。でも自分で自分のことを嫌いって言ったら、私のことを好きだと言ってくれる人に申し訳ないじゃないですか」と満面の笑みを見せてくれました。
人と比べるのではなく、自分が好きだと思うことを妥協せずに選び続けること。それが仲万美さんを輝かせ、唯一無二の存在にしているのでしょう。今後は「これは仲万美にしかできない」という役をやっていきたいという仲さん。女優としてのこれからが楽しみです。