垣内彩未さんが語る
除いたことで、生まれる余白
vol.13 後編
垣内彩未 / モデル
愛の根源は
尊敬する気持ち
モデル / 垣内彩未さん
暗いムードに飲み込まれていた日々は
家族に負い目を感じていた
コロナ禍においてできたさまざまな時間の空白。人と直接繋がるのが難しくなったことで、多くの人が人生について思い悩むという、試練が続きました。“だけど、自分は大丈夫”。暗くなるニュースに心を痛めることはあっても垣内彩未さん自身は、平常心を保てると思っていたそうです。
「何ともいえない暗い社会のムードに、まさか自分が影響されるとは思っていなかったのですが、知らず知らずの間に考えこむようになっていて、自分の中で抱えている、いろんな悩み事が浮き彫りになっていったんです。“コロナ禍になって撮影が減ってしまったな”とか“家族にもっと貢献したいのに、まだまだ足りない”と思ったり。モデルは受け身の仕事なので、待っているしかないということも、少し堪えていたんです。重ねて、友人とうまくいかないなど、下を向いてしまうようなことが、ポツポツとあったんですよね」
小さな体の中に、優しい思いを秘めている。
子供たちに救われて
自分にプレッシャーをかけていた垣内彩未さん。家族を愛しているからこそ、何かできないかと悩む。しかし、そんな心を救ってくれたのも、やはり家族という存在です。
「コロナ禍の中で、第二子の息子を出産しました。愛する存在がまたひとつ増えた分、バタバタの生活。それまでは、料理が終わったあとにキッチンがきれいに片付いていないと我慢ならない性格だったり、掃除機も毎日かけないと気が済まない、というところがあったけれど、そうはいきませんよね。夫も忙しいとなると、家は荒れ放題。だけどそのお陰か、“無理なことは無理なんだ”と割り切れて、完璧を求めてしまいがちな自分を許せたんですよね」
“頑張りすぎて、疲れていたんだな”と自覚することがきっかけになり、気持ちが徐々に前向きに変わったのだそう。可愛い盛りの子供たちは、垣内彩未さんの何にも勝ることがない癒し。一緒にいるだけで無条件に、パワーが充電されていきます。
「下の子はまだまだ赤ちゃんで、ただひたすらにかわいい存在だけれど、長女はもう立派に自分の考えを持った“個”。ひとりの人として接しています。長女は5歳になりますが、弟にとても優しくて。私は夜眠るとき、手をつなぎながら寝かしつけ、彼女に毎日“あなたはママの宝物だよ”と、いかに愛しているかを伝えるようにしているので、あるとき彼女に“ママの宝物は何?”って質問をしてみたんです。すると彼女が、自分だけじゃなくて、弟の名前も答えたことには驚きました。もっと幼い4才のときには、寝る間際“ママがママでいてくれてよかった”と言ってくれたことがあり、そのときはベッドの中でひとり、嬉し泣きしてしまいました。こんなに小さいけれど、すでにもうしっかりした自分の考えを持っているんです。だからこそ、子供を“子供だから”という目線で見ないことは親子関係を築く上で、とても大切なんですよね」
個として扱い、何事においてもきちんと説明をして、対話する。そんな親子関係を育む中で、子供もまた、無性の愛を注いでくれていることを感じた出来事でした。
互いに尊敬し合えば、愛はより深いものに
垣内彩未さんは続けて、子供をリスペクトしているとも語ってくれました。
「子供を育てていてすごいと思うのは、吸収力。そして、私にはない発想を持っていること。だから私は子供たちをとても尊敬しているし、私が子供たちに育てられているとも思っています。彼女たちがいるからたくましくなれたり、優しくなれたり。得られるものはあまりに大きいものでした」
相手を尊敬すること。それは、子供との関係のみならず、夫婦でも、友人関係や仕事上の付き合いでも、最も重要であると垣内彩未さんは考えています。
「リスペクトをし合えないと、人間関係がうまくいかないことを実感するできごともあったし、それで傷ついたこともあります。身に染みてわかっているからこそ、そこに重きをおいて生きていきたい。家族間ならなおさらそうで、夫も私が最もリスペクトする相手のひとり。彼はとても忙しい人だけれど、ひとりで1歳と5歳の子供を連れ出して遊びに行ってくれたりと、育児にもとても協力的。私が働き詰めないよう、フリーになれる時間ができるようにと気遣ってくれます。夫は私より一回り以上年上だけれど、私より1日でも長生きして欲しい。夫からたくさんの思いやりを感じているから、私も本気でそう思えるんです」
大切な人へのリスペクトを ささいなことから積み重ねて
後編の話の中でも家族をはじめとして“私は人に恵まれている”と、何度も口にしていた垣内彩未さん。“大切に思うから大切にされる”という幸福なループは、得てして壊れやすいものだから、リスペクトする視点を持つことが大切だという結論に紐づいていきました。
「小さなことでいいんです。“さっきの言葉の表現、優しくて素敵だったな”だとか、“私のために、こうやって準備してくれたんだ、ありがとう”だとか。そんな気持ちを持つことが、人と人との繋がりを、豊かなものにしてくれるんですよね」
そう言って微笑む垣内彩未さんのヘルシーな魅力を、ナリス化粧品のコスメが演出していました。
「私の顔のチャームポイントって、チークなんじゃないかなって思ってるんです。Vieta スキンブルーム チークスのカームピンクは肌が蒸気したようにぽっと色づいて、自然に肌に馴染む質感がお気に入り。ラメが入っていないので普段使いもしやすいですね。Vieta スタイリングフレームのカーキブラウンのアイブロウパウダーは大人の清潔感を出したいときに。髪をオリーブ色に染めているのでヘアのテンションにも合うし、絶妙な色が素敵なんです」
ナリス 薬用 ピュアーチェリップケア スティックは、家にお篭りする日にも重宝。
「外に出る日はともかく、家作業の日はリップケアって適当になりがち。これは香りを感じないから、食事するときにも影響せず、とても使いやすいです」
暗く沈んだ日々から抜け出すきっかけをくれたのも、生きる原動力を与えてくれるのも家族。
垣内彩未さんが人生のテーマにもする“リスペクト”は、家族間はもちろん、あらゆる人と人の絆を深く、より強いものに結ぶ魔法。
即興で作ることなどできない、普遍的な彼女の美しさの理由なのかもしれません。