2023.01.20

Thoughts in chocolate

ショコラティエ / 狩野玲子さん

People

チョコレートを通して
伝えたいこと

人生には理由がある
vol.11 ショコラティエ / 狩野玲子さん

狩野玲子 / ショコラティエ

ChocoRekoオーナーショコラティエ。大学卒業後、アメリカのシューズブランドVansの広報やアウトドア雑誌の編集を経て 30歳で渡加。2005年にカナダでローチョコレートに出会い、帰国後もその美味しさが忘れられず、ローチョコレートを作り始める。2008年よりローチョコレート教室を開始。2012年よりChocoRekoオンラインショップオープン。プライベートは双子をもつ、3児の母。

チョコレートを通して伝えたいこと
ショコラティエ / 狩野玲子さん

ショコラティエ・狩野玲子さんが作るのは、
原料のカカオ豆をローストしないローチョコレート。
カカオに含まれるたっぷりの栄養と酵素を
最大限に生かすローフード製法で作られるチョコは、
アンチエイジングや免疫力アップなど嬉しい効果がいっぱいです。
20代の頃、生きづらさを感じていた狩野玲子さんが
ローチョコレートを通して目指す
「女性が自由に生きられる寛容な社会」についてお話を伺いました。

YouTube

公式YouTubeチャンネルでは、インタビュー動画をご覧いただけます。

子どもの頃から海外で暮らしたいという夢を持っていた狩野玲子さん。
それと同時に「女性が自由に生きていくにはどうすればいいんだろう」と、ずっと考えていました。

必要なのは何があっても生き残れる力

家族は自動車関連の会社を経営する父親と専業主婦の母親、二人の姉と妹。
「姉や妹からは、“なんで玲子ちゃんは普通にできないの?”といつも言われていたんです。父は誰かに会社を継がせたいと思っていたようですが、誰も車に興味がなくて。だから私は父が納得して応援してくれるような仕事を見つけたいとずっと思っていたんです」

大学卒業後、アパレルメーカーの広報と出版社で活躍。いずれ海外へ行くことを決めていた狩野玲子さんは、翻訳の専門学校に通いながら仕事にも全力投球していました。

仕事もプライベートも充実した日々ながら、多忙で不規則な生活から20代で生活習慣病と診断されました。さらに出版不況により、狩野玲子さんを取り巻く状況は大きく変わっていきました。
「企画が通らなくなって、周りの人たちも一気に離れていきました。そのとき、どんなことがあっても生き残れる人にならないとダメだと思ったんです」

モザイクカルチャーという寛容な社会

このままだとダメだと思った狩野玲子さんは、海外に行くことを決意しました。当時30歳。ワーキングホリデーの年齢制限ギリギリでした。

渡航先となったカナダは「モザイクカルチャー」と呼ばれており、いろいろな色と形で形成されるモザイクガラスのように、多様な人種や文化を互いに尊重しながら暮らしています。 “人から認められるような仕事を見つけなければ”“30歳までには結婚しなきゃ”“子供も産まないと”など、さまざまなことに囚われていたという狩野玲子さんは、カナダに住み始めてすぐ、まるで憑き物が落ちたように解放されたといいます。

「何をそんなにこだわって、窮屈さを感じていたんだろうって。カナダではいろんな人が好きなように生きて、お互いの文化や価値観を認め合っている。そんな寛容さがとても居心地が良くて、自由になれた気がしました」

カナダでは自分の常識が相手の非常識。国が変わればこんなに違うんだとカルチャーショックを受けた狩野玲子さん。最初は戸惑うこともありましたが、受け入れて認め合った方が良い結果になることを学びました。相手に対して寛容になるということは、自分がされて嫌なことはしないということ。誰もがそのままの自分で生きることができる。カナダのそんな自由なところが本当に住みやすかったと狩野玲子さんは話します。

人生を変えるローチョコレートとの衝撃の出会い

生活面でも大きな変化がありました。20代の頃は仕事が忙しかったこともあって、不規則な生活をしていましたが、カナダではヨガスタジオに通い始めたことをきっかけに自分の体と向き合い、「食べたもので体は作られる」ことを意識し始めました。食生活は低温で調理したローフードやナッツ、野菜などを中心としたヘルシーなものにシフト。最初はベジタリアンの人を“ウサギみたい”と思っていたという狩野玲子さんですが、「やらないでジャッジするのは嫌。一度やってみて合わなければやめればいい」という信条からチャレンジすると、体の調子が良くなり、代謝もアップするなど良い変化がありました。

そんなときに出会ったのがローチョコレートでした。
「とにかくカカオの味をすごく感じて本当に衝撃的でした。元々、チョコは好きでしたが改めて“こんなに美味しいんだ!”って」

帰国してからも、その美味しさが忘れられなかった狩野玲子さんは、独学でローチョコレート作りをスタート。通っていたヨガスタジオで配ったところ、作り方を教えてほしいと頼まれ、ワークショップを開催することに。初回から30人以上が集まる大盛況となり、その後も話を聞いた人たちから、要望が後を絶たず、開催するたびにたくさんの人たちが集まりました。それまで「人から求められることがなければ、いつ死んでもいい」という気持ちがどこかであったという狩野玲子さんは、ワークショップを続けるうちに、人に求められて、それに応えることが生き甲斐や人生の目的に変わっていきました。
「最初からチョコレートをビジネスにしようと思ったわけではなく、要望に応えていくうちに自然とこの道に辿り着いたという感じなんです」

「仕事」と「子ども」の選択を迫られ、選んだのは

その後、結婚を経て菓子製造業許可を取得し、本格的にローチョコレートの製造販売事業を始めた狩野玲子さんは、アメリカで最先端の情報が集まるローフードイベントやドイツのオーガニック食品の展示会など、1歳の娘を夫に託し貪欲に技術や情報を求めて飛び回りました。

「日本のチョコレート関係の人たちには、“カカオを焙焼しないなんてチョコじゃないよ”って言われて仲間に入れてもらえなかったんですけど、海外にはちゃんとマーケットがあるのでそれを見に行きたかったんです。展示会では出店もしていないのに、自分が作ったローチョコレートをいろんな人に配ったら、“やっぱりハンドメイドはいいね”って言ってもらえて、背中を押された気持ちがしました」

工房を教室にし、ショコラティエ養成講座を開催しながら、ネット販売や百貨店の催事への出店など、事業が順調に回り出した2014年の11月、双子の妊娠が判明。妊娠初期となる年明けには百貨店のバレンタインイベントなども決定していました。子どものためには安静が一番。でも仕事も大切……。悩んだ挙句に、狩野玲子さんが出した結論は「どっちも」。夫の協力もあり、バレンタインを乗り越え無事に出産。翌年のバレンタインは乳児を背負って出店しました。
「双子の育児って本当に壮絶。でも人間やるって決めたら頑張れるんですよ。限界値を超えた感じもありましたけど(笑)」

ローチョコレートは「認められた自分」の象徴

ずっと姉妹の中で“なぜ普通にできないの?”と言われてきた狩野玲子さん。今では狩野玲子さんの作るチョコレートを心待ちにしている人がたくさんいます。
「求められているんだからマイノリティでもいいんだって思えるようになりました。ローチョコレートもチョコレート界ではまだまだマイノリティで、私にとっては自分自身を認めてもらえた象徴なんです」

また、狩野玲子さんのチョコレートは見た目の美しさも印象的。カラフルな着色は植物由来の厳選素材のみを使用し、デザインもすべて狩野玲子さん自身で行っています。
「たくさん色をつかっているのは、多様性を表現したかったから。結婚してもしなくても、子どもがいてもいなくても、どんな生き方でも“普通じゃない”なんてことはなくて、すべて受け入れてくれる寛容な社会になればいいなと思います。まだまだ多くの女性が“こうあるべき”という古い価値観の中で生きづらさを感じていると思うので、みんなそのままでいいんだよ、ということをチョコレートを通して伝えられたらいいですね」

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狩野玲子さんのお気に入りアイテム

ふきとり化粧水は初体験という狩野玲子さん。
使用してみて、「余分なものは取り除き、必要なものを与える」という
ナリスが提案する美容理論も「納得!」とご満足いただきました。

「面倒くさがりなので普段のお手入れは、すごくシンプルです。今回、久しぶりにしっかりとスキンケアをして、やっぱりちゃんと手をかけたら肌は応えてくれるんだって感激してしまいました。食べ物や運動などには気を遣っているのですが、やはり年齢とともにスキンケアも強化しないといけないなと思っていた矢先だったので嬉しかったです。お気に入りはシートマスク。美容液が本当にヒタヒタですごく贅沢で。ほとんどケアをしていなかったので、砂漠に水が染み込むようにぐんぐん浸透していきました。」

「時々通っているエステの方からも、“何かされました?”って聞かれたんですよ。わかるんですね、やっぱり。あと、ふきとり化粧水は人生で初めて。どうして化粧水が2本あるのか不思議だったんですけど、顔を洗ったはずなのに、コットンに汚れがついて、なぜ必要なのかがよく分かりました。今後も続けていきたいです。

セルグレースのファンデーションもすごくよかったです。カバー力はしっかりあるのに、艶感もあって、すごく嬉しいです。普段あまり真面目にファンデーションを塗らないので、良さを実感できました。スキンケアやメイクは自分に向き合う時間ですから、これからはもっと大切にしていきたいなと思います」

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