高瀬真奈さんが語る
除いたことで、生まれる余白
vol.01 後編
高瀬 真奈 / モデル
選ぶことは、自分への思いやりに繋がる。
モデル / 高瀬真奈
ブランドの背景をもっと知りたい
「モデルを始めた頃まで遡るんですが、ブランドの方やクライアントさんとお会いする機会が増えたことで、すべてに背景があることを知ったんです。どういう経緯でこのブランドは始まったのか、このブランドの人たちはどんな理念でやっているのか、わたしたちのなにを良くしたくて商品を作っているのか、とか。
わたしたち消費者はなかなか背景まで知る機会って少ないじゃないですか? でも、実際に作り手から『こういう思いで私たちやっているんです』というのを聞くと洋服もコスメももっと大事にしたいなと思えるようになったんです。そうすると普段買うもので“この会社はどんなことを大事にしているんだろう”って気になるようになりました」
ブランドの背景を知り、共感できるものを買うことは、結果として自分にとってもいいことだと高瀬真奈さんは言います。
「どんなものを買うか=自分自身がどんな人になりたいかに繋がっていくと思うんです。環境を大切にしたい、労働環境を守りたいみたいな理念もそうですし、人それぞれのビジュアルのビジョンがあると思うんですけど、例えば、素肌が艶々になりたかったら、そういう女性像をコンセプトに作られた化粧品を買うというのも、背景を知った上で買うという意味では同じですよね」
環境に配慮したものを買う理由
背景や思いだけでなく、どんな活動をしているのかという部分も大事にしていると高瀬真奈さんは話してくれました。
「今は誰もが考えていると思うんですが、環境に配慮されて作られたものを買いたいと思っています。でも無理して好みじゃないものを買う必要はないと思っています。例えば極論ですけど、このお茶美味しそうだから買ったとか、パッケージがかわいいから買ったとかでも良いんです。ただ環境に良いから買うのではなくて、環境にも良くて美味しいから、かわいいから買うということは、自分にとってのメリットにもなりますよね。
環境に良いものって少し高かったりするので、正直ハードルが高いな…とは思うんですが、いろんな選択肢がある中で自分が何を大切にして手に取るのかというのに意味があると思うんです。探してみたら意外と安いものもありますし、あんまり無理して背伸びしないことが大事!」
かわいいと思って買った手袋が、後から女性支援や社会貧困を無くすための活動の一環に役立っていると知ったことがあると、高瀬真奈さんは言います。
「(撮影は2月中旬)今日持ってきたこの手袋。これを手作りしているネパールの女性たちがいて、その人たちの雇用に繋がっているんです。家でも編み物ができるので、家族のケアをしながら仕事をしてちゃんと収入も得られるというこのブランドの理念があって、女性支援や社会貧困を無くそうと活動しているんです」
すべての選択は自分への思いやりに
行動が変わったことでどんな変化が起きたのだろうか。選択をすることは自分を大切にすることに繋がると高瀬真奈さんは言います。
「わたしたちの生活はすべてに選択肢があって、何を観るか何を食べるかなど。何も考えずに過ごしていた時よりも、今の方が自分を思いやってあげられているなと思います。選ぶためには根拠が必要で、前編でお話したように根拠を持つようになったことで、内側から自信が生まれるようになりました。お肌など外側にも、その変化が出るようになった気がします。
自信が出てきたら自分だけでなく、周りまできちんと目を向けられるようになる余裕も生まれましたね。それに気づいた時、今度は周りを幸せにしていける選択肢も生まれる。自分にとって良いことをやっていたつもりが周りにもそういう人たちが集まってきて、環境作りも上手くいくようになりました」
取捨選択をしてフラット状態に戻す
微笑みながら変化から生まれた大事なモノやコト、幸せについて語ってくれた高瀬真奈さん。最後に、ナリス化粧品の美容理論である『除いて、与える』について聞いてみました。
「一旦、フラットにするというのが今のわたしのテーマなので、コンセプトにとても共感できました。例えば、感情がマイナスな方向にいってしまった時にただプラスにするのではなく、一度、フラットにすることがとても大事だと思っています。
なにかを捨てないと新しいもの受け取る余裕が生まれない。必要のないものを捨ててフラットになった状態で、自分にとってなにが必要でなにが必要でないかというの見極めてほしいです。今日お話しした中で言うと、もしかしたらインプットし続ける方が自分の根拠になる人もいるかもしれないけど、わたしはいろいろと情報を入れすぎると良くないのと気づけたので、自分にとっての正解を自分で決めてほしいです。そのためにまずは根拠を探すことからはじめてみるのはどうでしょうか」