肌に触れる力は
羽のように軽やかに

肌にとって摩擦は大敵です。それはスキンケアのために触れる自身の手であってもです。お客様の肌に触れる我々エステティシャンは繰り返しこう教わりました。「羽のような軽やかなタッチで」。みなさん思っている以上に自分の肌を強い力で押してしまいがちです。理想は上のOK写真のように指の腹が肌にふんわりと触れている状態。これを基本として、洗顔からスキンケアまで行って欲しいのです。まずは鏡を見ながら自身の手の触れ方、触れる力が正しいかチェックすることから始めましょう。

洗顔は洗う順番が大切

クレンジングや洗顔時に大切なのは、肌に余計な力と摩擦を加えないこと。そのため洗う順番が肝となります。メイクをしている場合は目元から。していない場合はTゾーンや頬など皮脂や汚れがたまりやすい場所から洗うようにしてください。汚れが多い箇所の方が必然的に肌に触れる回数は増えますよね。そこから洗い始めることにより、その他の部分に触れる回数を抑えるためです。

コットンは押さずに
優しく触れるだけ!

ふきとり化粧水や保護化粧水を塗布する際に使うコットン。ふきとりという言葉のイメージが強いせいか、コットン使用時、力が入りすぎている方が多い印象です。指先に力が入ってしまう、NG写真のような手の角度になっている方は要注意です。手の触れ方同様、コットンも肌に軽く触れている状態が正しい使い方です。コットンを持った手と肌は平行に、優しく触れたままゆっくり撫でるようにスライドしましょう。 また、コットンを使う際に注意頂きたいのが化粧水を浸す量です。圧倒的に足りてない方が多い印象です。コットンにしっかり化粧水が含まれていないと肌を傷つける原因になってしまいます。規定量をたっぷり含ませてから使うことも意識しましょう。

乳液やクリームは手を丸くして
包み込むように

乳液やクリームを塗る際の手の使い方のポイントは、包み込むように手をほんのり丸めること。決して肌を押すことなく、手のひら全体で肌を優しく包み込むイメージで。目元や小鼻の脇など細かい部分は指の腹を使って優しく。頬や額、フェイスラインなどの広い部分は手のひらで塗布しましょう。

スキンケアに適した
柔らかな「手」の作り方

肌に摩擦を与えない手の使い方をお伝えしてきましたが、エステティシャンとして手のあり方は大切に考えています。お手入れに使う手指が荒れていたら肌にもいいことはありませんから、肌を傷つけないよう爪は短めに整えることと、優しく素肌に触れられるよう手指を柔らかく保つためにも指先の運動を日課にしています。毎日のお手入れで使うご自身の手もぜひ意識してケアしてみてください。

今まで何気なく使ってきた自分の「手」。力を入れ過ぎていたことが分かり反省! 優しくふんわり触れるを念頭に毎日のお手入れ頑張ってみます。

小串まどかさん

ルミエ・パリ在籍のエステティシャン。サロンでは極上の施術はもちろんのこと、熱心にホームケアのアドバイスもしてくれる。