2022.07.19

Realize what is important

イラストレーター / よしいちひろさん

People

持ち物を見直すときこそ、
本当の理想に出会える

よしいちひろさんが語る
除いたことで、生まれる余白
vol.05 後編

よしいちひろ / イラストレーター

兵庫県出身、東京都在住。関西発の月刊誌『SAVVY』でイラストレーターとしてデビュー。ガーリーブームの波に乗りながら人気イラストレーターとして活躍。現在は1児の男の子を育てながら、ファッションブランドのモデルやコラボレーションを務めるなど、イラストレーター以外にも様々なフィールドでの挑戦を続けている。女性の日常や憧れをみずみずしく、ガーリーなタッチで描いて人気を集め、女性誌や書籍、広告などで幅広く活躍。家族や愛犬も登場する暮らしや、センスが光るけど親近感のあるファッションをInstagramでも展開しており、注目されている。女性4人からなるクリエイティブユニット『Witch Tai To』にも参加。
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持ち物を見直すときこそ、本当の理想に出会える
イラストレーター / よしいちひろさん

すっきりした空間で暮らすことの気持ちよさを、
家事を通して覚えたというイラストレーターのよしいちひろさん。

前編に引き続き、後編のお話も、心地よく過ごすために家を整える工夫がテーマ。
“収納“について自分たち家族に設けたルールについて話してくれました。

よしいちひろさんが語る 除いたことで、生まれる余白
前編はこちらから

収納に収まる分だけの持ち物で
十分豊かで無駄のない暮らしに

以前住んでいた家の収納は今の家より大きかったものの、持ち物の管理はしっかりされておらず、階段下にある物置にどんどん押し込んでいる状態だったというよしいちひろさん。

「新しく家を建てるとき、居住スペースを広く使いたかったことから、収納スペースは最小限に設計しました。以前の家では忘れ去られたまま使わないものが物置で眠っていることもありましたが、それがなくなったのは“収納に収まる分しかものは持たない”と決めたから。ルールにしてしまうことで“いつか使うかも”などと惜しむことなく、手放すことができるようになりました」

必要な分の持ち物で暮らす、という最近の世の中の流れにも共感する部分があるというよしいちひろさん。

「持ち物が適量であればやはり家はすっきりしますし、きれいな状態を保ちたくなるので掃除もマメにしたくなります。夫と二人暮らしのときは本当に掃除はおおざっぱでしたが、無造作にものを積むということも少なくなりました。今もごちゃごちゃさせてしまうことはもちろんあって、適当なところもあるけれど、自分の負担のない範囲で、少しずつアップデートできていると思います」

あたたかな思いが循環するチャリティーバザー

さまざまな持ち物の処分の方法がある中で、よしいちひろさんが選んだのはチャリティバザーという選択です。

「アプリに出品するという手もポピュラーだけれど、撮影したり発送したりと、準備が多いとおっくうになってしまうと思って。その点、バザーなら会場に持っていき並べるだけ。定期的に参加するチャリティバザーには、毎回遊びに来てくれる常連のお客さんもいらっしゃいます。好きなものが似た同士だから共感しあえる部分が大きく、みなさんとコミュニケーションを取るのも楽しみです。家にスペースができることも、困っている方々に役立ててもらえることも、嬉しさしかありません」

よしいちひろさんにとってチャリティーバザーは、人と人がつながる場であり、社会貢献できるチャンスの場。その上家も整うという良いことだらけのイベントで、プラスの感情を交換する大切な機会だそうです。

本当の理想は、捨てるときに姿を現す

買うときよりも手放すときの方が、自分が本当に求めている暮らしや、目指す女性像について考えるというのも印象的なお話でした。

「何かを買うときって、気軽な気持ちであれもこれもと新しい理想を取り入れられるけれど、それなりに好きなものが集まっている今の状態から、何を手放そうかとなると、真剣に考えながら削ぎ落としていく作業になるんです。そうすると、本当の理想が見えてくるんです」

ものを手放すだけでなく、迎え入れるときにも自分なりのきまりがあります。

「年齢的にも、価値観が凝り固まってしまいがちになると思うので、できるだけ新しいチャレンジをしています。洋服選びは特にそう。それは好奇心でもあり、向上心でもあります」

のびやかに生きていくために、
決まりは壊し、新しく作る

インタビューの最後に、ナリス化粧品の美容理念である『除いて、与える』という言葉から、よしいちひろさんが想像する思いを伺ってみました。

「『除いて、与える』とは、私においてのスクラップアンドビルド。毎日行う家事においてだって、一度決めたことでもこうした方がもっといいということが見つかれば更新するようにしています。子どもがゲームをする時間ルールなどのささいなことでも、都度相談しながらベストな方法を探します。“こういう生活が一番素敵だ”とか“自分はこうあるべきだ”などという固定概念を持たないこと。決まりを壊して作り直していくことが、よりよい暮らしや生き方になると思うんです」

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Staff

Photographer : Mitsugu Uehara
Writer :Ai Watanabe
Editor : Haruyo Sugie (Roaster)
Director : Sayaka Maeda (FLAP,inc.)