2024.00.00

Leave the housework once

イラストレーター / よしいちひろさん

必要な仕事を選び、
工夫ある家事を楽しむ

よしいちひろさんが語る
除いたことで、生まれる余白
vol.05 前編

よしいちひろ / イラストレーター

兵庫県出身、東京都在住。関西発の月刊誌『SAVVY』でイラストレーターとしてデビュー。ガーリーブームの波に乗りながら人気イラストレーターとして活躍。現在は1児の男の子を育てながら、ファッションブランドのモデルやコラボレーションを務めるなど、イラストレーター以外にも様々なフィールドでの挑戦を続けている。女性の日常や憧れをみずみずしく、ガーリーなタッチで描いて人気を集め、女性誌や書籍、広告などで幅広く活躍。家族や愛犬も登場する暮らしや、センスが光るけど親近感のあるファッションをInstagramでも展開しており、注目されている。女性4人からなるクリエイティブユニット『Witch Tai To』にも参加。
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必要な仕事を選び、工夫ある家事を楽しむ
イラストレーター / よしいちひろさん

余分なものを取り除き、新たに何かを吸収する小さなアクションが、
よりよい未来を引き寄せてくれるかもしれません。

「除いて、与える」をテーマに、
しなやかなに生きる方たちをクローズアップするこの連載企画。

取材に訪れたのはイラストレーター・よしいちひろさんのご自宅。
気持ちの良い光が降り注ぐリビングには、
家族の好きなものだけが整頓して並べられ、
穏やかに重ねていく日々を感じさせます。

そんなよしいちひろさんが「除いて、与える」ことを、
どのように暮らしに取り入れているかお話を伺ってきました。

家を建て、出産するタイミングで導入した家電がきっかけに

現在は旦那様とお子さん、そして愛犬おいもの3人と1匹で暮らすよしいちひろさん家族。家の中は、柔らかな色合いで統一されたインテリアで、3階に続くリビングの階段下のスペースはよしいちひろさんの作業スペースに。すっきりしていて品よく、親しみを感じる空間は、どこかよしいちひろさんの作品の世界観と重なる部分があります。

「この家を建てたときはちょうど妊娠していたときでした。それまでは大人ふたりの生活だったので、雑然としていても気にすることはなかったけれど、子育てに専念するために時短家電を取り入れることにしました。知人からお掃除ロボットを譲ってもらったのをきっかけに、洗濯乾燥機や食洗機にも頼るように。暮らしは便利になっていたと思うのですが、それに気づく間もないほど育児が忙しく、家事について価値観が変わってきたのは、子供の手が離れてきた2、3年後です」

子どもがいると、おもちゃなどですぐに部屋は散らかってしまうもの。それを、保育園に行く前のタイミングでみんなで片付けようというルールを設けたよしいちひろさん。
「片付けてから家を出て、すっきりした家に帰ってくる。家電の力も借りながら、家事をちゃんとこなすことってとても気持ちのよいことなんだと思いました」

一度家事を手放し、まっさらにした状態なら 本当に必要な仕事が見つけやすい

家事と向き合う時間ができたことで、一つひとつの家事を考えながら行うようになり、新しい仕事を取り入れたり、省いたりを繰り返していきました。

「新しく取り入れた家事のひとつはアイロンがけ。知人からアイロン掛けはセラピーになるよとおすすめされてやってみたら自分の性にも合っていました。洗濯機も乾燥までできる全自動式のものに頼っていたけれど、リネンなどは自分で干した方がキレイに仕上がることが分かって、朝起きたら物干しもするように。いったん機械を導入して家事をミニマルにしたからこそ、自分でやったほうがよいことも見えてきて、以前より家事に能動的に取り組めるようになりました」と、よしいちひろさんは語ります

いつしか家事がいやしのひとつに

「やらねばならないもの」だと考えると、家事はつまらなくなってしまうもの。よしいちひろさんは、家事は子どもの勉強と近いところがあると語ります。

「やらされると思うと嫌になってしまうけれど、楽しいと思って取り組めればどんどん吸収していけますよね。自分で考えて行ってみると、家事ってとても奥深くていくらでも楽しめるものだと気づいたんです。今では仕事の合間にアイロン掛けをしたり、近所の農家に野菜を買いに行くことがリフレッシュになっています」

暮らしを整えることは、生きることの基本

週末には、家族揃って家事をするのが習慣に。お子さんにも、お手伝いではなく“家事は生きることだから”と教えて、生活の一部に組み込むようにしています。

「今日1日は家をメンテナンスする日だと決めたら、やることをリストアップして、それぞれ分担したことをこなしています。そうやってすっきりした家でくつろいでいると、ほっとできるしとても居心地がよいもの。仕事を始める前も、部屋が整っていると気持ちがしゃきっとするものです」

一度家事を手放す。つまり「除いて」、必要な家事を取り入れていった「与える」よしいちひろさんの暮らし方。それと同時進行で、それまで予算の都合で適当なものを買っていた家財道具などを、自分で選び取った好きなものに少しずつ変えていったら、生活の質がグンと上がったとも話してくれました。

「整った家の中で好きなものに囲まれて暮らすことは、こんなにも毎日、気持ちが満たされるものだったなんて。この感覚を味わってから、家事の中でも以前は苦手だと思っていた片付けや掃除も楽しめるようになりました。これからも私なりの工夫を加えて、営みの基本である家事を大事にしていきたいと思います」と、よしいちひろさん。

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Staff

Photographer : Mitsugu Uehara
Writer :Ai Watanabe
Editor : Haruyo Sugie (Roaster)
Director : Sayaka Maeda (FLAP,inc.)