1分で分かる薔薇の歴史

その堂々たる存在感に加え、可憐さ、華やかさなど、見る人によって様々な形容詞を生むのが薔薇の花。その歴史は実に古く、一説によるとおよそ7000万年前が起源とも言われています。この時期は白亜紀後期のため、人間の誕生はまだまだ後で恐竜も絶滅前のタイミング。驚愕です。想像以上にはるか昔から存在していた薔薇ですが、人々の手によって育てられるようになったのは、紀元前500年頃の中国でという説や、紀元前600年頃にギリシャやローマで栽培されていたなど諸説ありますが、この辺りの記録が最も古いとされています。ちなみに現在では地球上どこでも薔薇が手に入りますが、自生するのは北半球のみなんです。長い年月をかけて発展してきた薔薇。現在薔薇属に属するのは150種以上、品種は2500以上とも言われています。

【薔薇に魅せられた女性①】
クレオパトラ

薔薇といえばクレオパトラの名を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 絶世の美女、そして5ヶ国語を操る才女としてエジプト女王の座に君臨していたクレオパトラは薔薇を愛し、薔薇に愛された女性でもあります。薔薇が持つ気品高く、みずみずしい香りを利用し、外交に役立てていたというのは有名な話。古代ローマの英雄、カエサルやアントニウスを迎える際は薔薇の花びらを絨毯代わりに敷き詰めさせたとか。しかも70cmもの高さに。薔薇の香りが宮殿中に広がっていたのかなと想像できます。このサプライズ演出は百発百中だったとか。加えて、自身の魅力を伝える美のツールとしても薔薇を活用していました。言い伝えによると、薔薇の花を浮かべたお風呂に入り、薔薇の花を敷き詰めた上で毎晩眠っていたのだとか。心地よい香りを嗅ぐと幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌され心身ともに安定し、ポジティブになると言われていますが、クレオパトラは薔薇のパワーを古代エジプト時代から美の助けにしていたのですね。その天性の嗅覚にあっぱれ。

【薔薇に魅せられた女性②】
ジョセフィーヌ

フランスの英雄ナポレオンの最初の妻として知られるジョセフィーヌ。彼女もまた薔薇に魅せられ、薔薇に救われた女性です。超がつく浪費家で有名なジョセフィーヌですが、ナポレオンと結婚している間もやりたい放題。ついには夫に黙ってお城を購入します。それが薔薇園で知られるマルメゾン城です。そこでジョセフィーヌは薔薇を育てることに没頭していきます。世界各国から薔薇を集め独自に交配してどんどん新しい品種を生み出していきました。最終的には250種にもなり、現代薔薇の総称であるモダンローズへの布石となりました。ちなみにジョセフィーヌだけでなくナポレオンも大の薔薇愛好家。当時は時代的にも頻繁にお風呂に入る文化がなく、ジョセフィーヌに至っては虫歯だらけで口臭もひどかったとか。もしかすると、不快な臭いを消すために薔薇の香りに頼っていたのかも!? しれません。目にも美しく、香りも美しく、そして可憐。薔薇は性別を超え愛されていたのですね。

薔薇が持つきれいの秘密

薔薇にはきれいを支える力があると言われています。歴史上の人物を見ても、クレオパトラしかり、ジョセフィーヌしかり、薔薇の香りを活用し、自らの美しさを演出してきました。実際に、薔薇のいい香りを嗅ぐとリラックスできますよね。リラックスできるということは全身の巡りが良い状態。また古くから薔薇は整腸作用のある薬として使われてきた歴史があります。薔薇の香りを嗅ぐ他に、薔薇のジャムやローズティーなど内側から取り入れるのもきれいのサポートにつながります。

歴史の積み重ねの中で、薔薇がまとう気品と自信は作り上げられたのでしょうか。薔薇って本当に魅力がいっぱいですね。