不調を改善してくれる
〝薬膳レシピ〟って?

漢方レシピについて教えてくれるのは、漢方スタイリスト・中医薬膳師の吉田揚子さん。 「私たちが口にしている食材は、めぐりを整える、いらないものの排出を助ける、身体を温めるなど、さまざまな性質を持っています。〝ライフスタイルとしての漢方〟では、そういった食材の持つ性質を漢方的に組み合わせて、美味しく食べながら内側から心と身体を整えていきます。

特に、内臓を温めて消化機能を促進する生姜やニンニク、玉ねぎやスパイス類を使ったカレーは、めぐり力(りょく)を整えてくれるおすすめのメニューです。さらに元気を補ったり、余分な水分の排出を助けたりする性質を持つ夏野菜をトッピングすれば、最強レシピの出来上がりです」

むくみ取りに良いスパイス6

1 クミンシード

カレーの風味づけの核となるスパイスの一つ。気のめぐりに役立ち、お腹を温めて消化促進。

2 コリアンダーシード

パクチーの種。気のめぐりをよくして消化促進、胃もたれなど胃腸の不快感の改善に役立ちます。

3 ターメリック

独特の香りや僅かな苦味が特徴。気をめぐらせて血流の改善に役立ちます。

4 一味唐辛子

身体を温めて食欲不振や消化不良の改善に役立ち、気血のめぐりをよくします。

5 シナモン

独特の甘い香りで、胃腸薬などにも入っていることが多いスパイス。身体を温めてめぐらせる力が強いのが特徴。

6 パプリカ

カレーのコクや深みを引き出してくれて、血流の改善に役立ちます。

※スパイス類は内臓を強く温めるので、胃腸が弱い人や胃に熱がこもっている人は使用を控えてください。

「夏野菜の
漢方スパイスカレー」
レシピ

【材料(2皿分)】
鶏もも肉唐揚げサイズ…12個(400gくらい) 
オリーブオイル(炒め用)…大さじ2
クミン(ホール)…小さじ1 
にんにく(みじん切り)…大さじ1
生姜(みじん切り)…大さじ1 
玉ねぎ(スライス)…1個分
大玉トマト(皮のままザク切り)…1個分 
椎茸(スライス)…4枚分
コリアンダーシード(パウダー)…小さじ1 
ターメリック(パウダー)…小さじ1 
一味唐辛子(パウダー 韓国唐辛子がおすすめ)…小さじ1
シナモン(パウダー)…小さじ1 
パプリカ(パウダー)…小さじ1
ココナッツミルク(パウダー)…大さじ2 
天然海塩…ひとつまみ
鶏ガラスープの素…大さじ1 
プレーンヨーグルト…100cc
ケチャップ…大さじ4 水…150cc

[トッピング]
なす(輪切り)…1本分 インゲン…6本 
天然海塩…適宜 ミニトマト…6個
かいわれ大根…1PC 
茹で粒コーン(缶詰のものでOK)

フライパンにオリーブオイルを入れて温め、中火でなすとインゲンを軽く焦げ目がつくくらい焼き、軽く天然海塩を振っておく。

別のフライパンにオリーブオイルを入れて温め、クミンを入れて弱火〜中火で加熱(焦げないように注意)。そこへにんにくと生姜を加えて香りが出るまで炒める。玉ねぎも加えてくったりするくらいまで10分ほど炒める。

②にトマトと椎茸を加えてさらに炒める。ここでトマトの旨味をしっかり出す。

一旦火を消して、コリアンダーシード、ターメリック、一味唐辛子、シナモン、パプリカ、ココナッツミルク、天然海塩、鶏ガラスープの素をよく混ぜ合わせてから③に加えて弱火〜中火でさらに2〜3分炒め合わせる。

④に鶏肉とヨーグルト、ケチャップを加えて火を通し、最後に水を加えてよく混ぜ合わせたら、蓋をして中火〜強火で5分ほど加熱(焦げないように注意)。その後蓋をとって弱火にし、水分を飛ばしながら混ぜ炒めて、とろっとしたら出来上がり。ご飯、トッピング野菜と一緒にカレーを盛り付けたら完成。

 

最初に加熱するクミンはパウダーではなくホールがおすすめ。ほんのり温めて香りを出すことでスパイスカレーらしくなり、弾ける食感も印象に残ります。

吉田揚子さん

漢方スタイリスト・中医薬膳師。書籍や雑誌での執筆や監修、レシピ提供、セミナー講師など幅広く活動。2010年に設立した「きたかまくら日々響 hi bi ki」で代表を務め、〝ライフスタイルとしての漢方〟を発信中。