人生には理由がある
vol.31
整理収納コンサルタント/本多さおりさん
本多さおりさん/整理収納コンサルタント
好きなことで生きていく
片付けを仕事にするまでの迷いと葛藤
YouTube
さまざまな仕事に挑戦するも挫折
暗黒時代に光が差したアドバイス
大学で社会学を専攻していた本多さんは「女性も社会で活躍すべきだ」という考えのもと、新卒で金融系企業に入社しますが、環境が合わず身体を壊し1年で退職。ここからご本人いわく「暗黒時代」が始まります。「好きなことがしたいという気持ちはあるのですが、それが何かわからない。昔から“絵がうまい”とか、“スポーツが得意”とかわかりやすい特技がなくてコンプレックスだったんです」。退職後は派遣やアルバイトなどあらゆる仕事にチャレンジしました。料理が苦手なのにも関わらずカフェの厨房で大変な思いをしたり、印刷所や保育園などさまざまな場所で働いてみたものの、しっくりきませんでした。
そんな暗澹とした日々を送る中、以前の同僚に相談していた本多さんは、思いがけない言葉をかけられます。「さおりん(本多さん)、デスクとかファイルの整理がすごかったよね。あれって才能だよ」。しかし、当時はまだ整理収納は仕事のスキルとして一般的ではなく、本多さんの中にそれを仕事に活かすという発想はありませんでした。転機が訪れたのはその少し後、アルバイトをしていたカフェのオーナーに「好きなことが見つからない」と相談したとき、「好きなことなんて探す必要はないよ。好きなことは自然にやっていることだから」と言われ、本多さんはハッとします。「私が自然にやっていることって片付けだって。そこで同僚に言われたこととつながったんです。雷に打たれたような衝撃でした」。 その後、本多さんはインターネットで整理収納アドバイザーの資格があることを知り、1級を取得。さらに雑誌「ESSE(エッセ)」の読者リポーターに応募すると即採用され、少しずつ光が見えてきました。
新しいキャリアが始まったのは、
「とにかくやってみる」の精神から
時を同じくして、高校の同級生と結婚をした本多さんは夫の会社の社宅に引っ越します。新居は古い団地の一室で広さは40㎡。荷物が入りきらず、やむなく処分をしたり、収納を工夫して住みやすい空間づくりに励みました。そんな住まいづくりの様子をブログに綴ると、読者がつくように。さらに本多さんは整理収納アドバイザーの上位資格である整理収納コンサルタントを取得し、訪問サービスを開始。当時はまだ広く認知されているサービスではありませんでしたが、ブログの読者から依頼があり、いいスタートを切ることができました。さらに本多さんのブログを読んだ出版社から書籍出版の企画が持ち込まれます。「詐欺では?」と思うほど驚いたものの、暗黒時代に読んだ啓発本に書かれていた「とにかくやってみる」の精神でなんでもチャレンジしてきた本多さんは引き受けることに。しかし、話はそこで終わりません。なんとNHKから番組講師として出演のオファーが舞い込んできたのです。もちろんこちらも快諾。すると初めての書籍の企画もNHKに出演した実績が後押しとなってとんとん拍子に進み、いよいよ本多さんは現在につながるキャリアの第一歩を歩み始めました。
家のことで夫に爆発。
求めているのは役割分担ではなく理解
そうして出版された初著「片付けたくなる部屋づくり」は評判もよく、すぐに出版社より第二弾の打診がありました。書籍を出したことで訪問サービスの依頼も増え、NHKの出演によって客層も広がり、まさに順風満帆。しかし、すべてがうまくいき始めた結婚1年目の記念日に、本多さんにとって忘れられないある事件が起こります。当時はTV出演や書籍の執筆、訪問サービス、アルバイトと多忙な日々を過ごしながらも、さらに家事のすべてをこなしていたという本多さん。ある日リビングで寝転びながらうたた寝をしている夫を見て、突然猛烈に腹が立ったそうです。「何かがぷちんと切れたんですよね。夫を揺り起こしてめちゃくちゃ怒りました。何かしてほしいのではなくもっと想像してほしいって。何曜日に何のゴミを出すとか、トイレットペーパーがないとか一度も気を回したこともないし、家に帰ってきたら完全オフで暮らしのことを気にせずにいられるのっておかしいじゃないですか。家のことをするのは好きですし、苦手な料理以外は自分がやったほうが早いし、狭い家だったしそんなに大変ではなかったんですけど、もう溢れ出たって感じです」。役割分担ではなく理解がほしかったという本多さん。今でも夫からは「あれはほんとに怖かった」と言われるそうです。
夫が家事をすることで実感した
「片付けたくなる部屋」
それからは何度か衝突はあったものの話し合いで乗り越えた二人でしたが、結婚6年目に第一子が生まれると、生活がガラリと変わり、これまでのやり方ではうまくいかなくなってきました。本多さんは在宅、夫は通勤のため、やはり家事と育児は必然的に本多さんが多く負担していましたが、「それでもできることを自分で考えてやってほしい」と伝えたところ、夫は朝食づくりを提案。それだけでもずいぶん楽になったといいます。また、毎日朝食を作り続けることで、明日のパンがないから会社の帰りにコンビニに寄ろうといったように思考や行動が変わっていきました。以来、二児の母でありフリーランスのコンサルタントとして活躍する本多さんを夫はできる限りサポートし、二人三脚で家のことを回せるようになっていったそうです。
初著「片付けたくなる部屋づくり」を出版してからずいぶん経ったある日、「この家って物を戻すのが楽だから片付けたくなるよな。あ!片付けたくなる部屋ってそういうことかあ」という夫の言葉に、理解が得られたことを実感するそうです。
好きなことをやり続けることで、
可能性がどんどん広がっていく
現在は8歳と6歳の男の子を育てながら書籍の執筆や取材対応、オンライン収納相談などで大忙しの本多さんですが、最近YouTubeチャンネルもスタートしました。きっかけはNHKで一緒に仕事をしたディレクターから声をかけられたこと。「自分から動いたのってブログと最初の訪問サービスくらい。好きなことをやっているうちにどんどんつながってここまできたっていう感じですね」。
出産を機に訪問サービスは一旦お休みしているという本多さんですが、いずれ再開したいと考えているそう。「やっぱり訪問サービスはお客様に目の前で喜んでいただけるので楽しいですし、子どもができた今、お子様のいるご家庭には同じ保護者目線で今までできなかったようなきめ細やかな提案ができると思うんです」。と、話す本多さん。訪問サービスのお客さま第一号の方とは今では互いにお誕生日をお祝いし合う関係なのだそう。好きなことを模索し続けたからこそ自分の強みを見つけた、本多さん。今後の活躍が楽しみです。
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本多さおりさんのお気に入りアイテム!
最近は少しずつ出始めたエイジングサインが気になるものの、特別なケアはしていなかったという本多さん。スキンケアはシートマスクだけで済ませることも多いため、ライン使いを習慣化するためにアイテムをすべてひとつのバスケットにまとめる工夫をしたそうです。「ルクエ Wクレンジング フォームは泡の弾力がすごくて感動。正直、泡立てがちょっと面倒だなと思っていたんですけど、気持ちいいし、ネットで泡立てるのも楽しいし、今まで手をかけなかった分、やっぱり顕著に違いが分かるので続けられるんですよね。ルクエ コンクはふきとるのが本当に気持ちよくて、ふきとり化粧水って面倒だと思っていたのにいつの間にか楽しみになっていました。そのあとのルクエ ローション1もパッケージに『ごくごく』って書いてありますが、まさにそれ。脳内でごくごくって言いながらつけていて、これをコツコツ続けたら10年後には絶対いいことがあるぞっていう感覚がありました。ルクエは香りもなく、自然で心地いい使用感だから無理なく続けられそうです」。
普段のベースメイクは化粧下地を使用せず、日焼け止めとクッションファンデーションのみで済ませることが多いという本多さん。「スタイリーク スムースベースはしっとり感がすごかったです。仕上がりもよくて、メイクに対するモチベーションが上がりました」と喜んでくださいました。「あと、一番よかったのはスタイリーク シークレットトーン コンシーラー。自然な仕上がりで感激してしまいました。コンシーラーって難しそうで使ったことがなかったんですが、ずっと気になっていた目の下のクマにオレンジのコンシーラーをのせたら顔がパッと明るくなって。嬉しかったです」。