2023.06.06

The pursuit of beauty

Beauty

はじまりは「コンク」から。
美しさを追求し続けて

History of Naris and Conc

株式会社ナリス化粧品 経営企画室 広報担当部長/横谷泰美(よこたに やすみ)

芸術系大学卒業後、株式会社ナリス化粧品に入社。店頭什器開発の販促業務にはじまり、パッケージ・プロダクトデザインを通じた製品開発、製品企画・ブランド開発を通じたマーケティング業務に携わる。現在は経営企画室・広報担当。

株式会社ナリス化粧品 研究開発部 研究開発課 処方技術開発 グループシニアリーダー/浅井健史(あさい たけし)

立命館大学大学院理工学研究科修了後、株式会社ナリス化粧品に入社。一貫してスキンケア製品の開発に従事し、「マジェスタ」や「セルグレース」など、これまで数多くの製品を市場に送り出してきた。近年は研究業務に携わり、「0(ゼロ)から1(イチ)を生み出す」をモットーに従来にない化粧品を目指し、日夜研究に取り組んでいる。

ナリスの歩み、コンクの歴史

ナリス化粧品の看板商品であるふきとり化粧水「コンク」が初めて誕生したのは、1937年のこと。
「余分なものを取り除き、必要なものを与える」という美容理念は、
当時のスキンケアの概念を変える画期的なものでした。

それから86年、コンクは進化を続け、さまざまな種類のコンクが誕生。
国内のふきとり化粧水の販売シェアは、2016年の調査開始以降、8年連続1位※1です。
それを支えるのは、創業以来から続く角層研究の積み重ねと、独自の技術開発への挑戦。

ナリスのレジェンドともいわれるコンクの歩みと、その魅力に改めて迫るべく、
ナリス化粧品経営企画室 広報担当部長・横谷泰美と、
研究開発部 研究開発課 処方技術開発 グループリーダー・浅井健史にお話を聞きました。

※1:「ふきとり化粧水」国内企業別販売動向調査 2015年4月~2023年3月 TPCマーケティングリサーチ株式会社調べ


美容の常識を覆した、コンクの誕生

美容に関心のある人なら、今や、当たり前になった角層ケアですが、ナリス化粧品のふきとり化粧水「コンク」が初めて誕生した1937年(昭和12年)当時は、角質ケアはおろか、スキンケアの概念そのものがないに等しいものだったそう。そんな時代にふきとり化粧水を生み出したナリス化粧品の創業者・村岡満義氏について、広報担当の横谷泰美氏が教えてくれました。

「当時の日本人には珍しく4ヶ国語を理解した村岡は、ドイツ語やフランス語で医学や生理学の原書を読み、皮膚生理学を習得しました。そこで着目したのが、肌が生まれ変わる28日の周期、ターンオーバーのメカニズム。『美しい肌のために重要なのは、余分なものを取り除き、栄養を与えることである』ということに気づいたのです」

1932年、「會陽化学研究所」を起業した村岡氏は、「栄養や滋養を与える」を意味する「Nourishment(ナリッシュメント)」から、「naris=ナリス」ブランドを生み出し、ふきとり化粧水の第一号「コンク」を開発します。

「コンクは、肌に対して積極的にアプローチをしようとした、最初のスキンケアアイテムだと言えると思います。これまでの美容の概念を覆した、画期的なものだったのです」

変わらないこだわりは、肌へのやさしさ

日本の美容意識を大きく変えた初代コンクは、当時新鮮に受け入れられ、大ヒット。しかし、「余分なものを取り除く」ために、強力な成分が使われていたため、なかには肌トラブルを起こしてしまう方もいたのだとか。誰もが使えるふきとり化粧水をつくりたいーー。そんな想いから、コンクは改良を重ねていくことになります。その過程で見つかったのが、「ヨクイニンエキス※2」です。

「ヨクイニンエキス※2は、角層に、潤いを与え、古い角質(老化角質)を柔らかくほぐして取り除きやすくする作用があります。つまり、強い成分で角質を剥がさずとも、自然の力によってやさしく角質オフができるのです。このヨクイニンエキス※2が見つかってから現在まで、ナリス化粧品のコンク製品のすべてに配合されています」

そう話してくれたのは、これまで数多くのコンク製品の開発に携わってきた研究開発部の浅井。そもそも、ふきとり化粧水を使うメリットとはどのようなことにあるのでしょうか。

「肌に触れたとき、『なんだか硬い』『ゴワゴワしている…』と感じたら、それは古い角質が溜まっている証拠。最近では、マスクによる摩擦の影響で、角質が必要以上に厚くなり、肌のゴワつきを気にする方も増えているようです。ふきとり化粧水は、こうした肌表面に溜まった角質を取り除き、肌を健やかに保つことで、肌をやわらかくなめらかな状態へ導くと同時に、次に使う化粧水や美容液のなじみを助ける効果もあるんですよ」

ナリス化粧品のふきとり化粧水の特徴は、「なんと言っても肌にやさしいこと」だと浅井は言います。毎日、朝晩に使えるふきとり化粧水。それを叶えたのは、肌へのやさしさを追求する、創業当時から現在まで、開発者に通じるこだわりでした。

取り除くだけではない、コンクの進化

一方、ユーザーのニーズに合わせて、コンクはさまざまな形へと変化も続けています。

「代表的なものでいうと、1984年の誕生から改良を重ね、現在は肌に合わせて2つから選べる『マジェスタ』、“ふっくら、柔らかな肌”をコンセプトにした『レジュアーナ』や、肌の声を聴く、実感主義の『ルクエ』、相反するものを融合させる新技術を導入した、ナリス最高峰の『セルグレース』などがあります」

日々の研究から、コンクに配合する成分や技術の開発も進んでいます。

「『ルクエ』シリーズには、ヨクイニンエキス※2と同様にふきとり効果があり、肌をなめらかにする純化白花豆エキス※3を配合しています。また、『レジュアーナ』には、2014年のリニューアル時に初めて独自の『iPFテクノロジー』を導入しています。普通は分離してしまう水分と油分を、この技術によって安定配合できるようになり、うるおいや心地よさがプラスされたのです」

さらに、最新の製品「セルグレース」では、新しい配合技術(親肌性iPF)に加えて、「感性」を数値化する研究を導入。「肌摩擦感」と「ふきとれた実感」について、振動量や周波数を測定し、「すっきりふき取れ、肌を柔らかくしながら、うるおいも感じる」理想の使用感を実現しました。

「単に汚れをふき取れれば良いということではなく、肌をより美しくすること、感性に訴える心地よさにもこだわる。それは、創業当時から肌の角層研究を続けてきたナリスだからこそできることだと思っています」

スキンケアも多様性の時代。コンクのこれから

86年もの間、ふきとり化粧水の可能性を広げてきた「コンク」。今後はどのような進化が期待できるのでしょうか。

「時代的に『多様性』が注目されていますが、それは化粧品でも大切なことだと考えています。目指す肌や使用感の好み、ライフスタイルなど、これからはより一人ひとりの希望やニーズに合わせたアイテムの開発が求められるはずです。また、研究の現場では、AI技術の導入なども検討されています。これまで角層の観察や計測など手作業で行なっていたのですが、AIを活用することで、その手間も時間もかなり削減できますし、さまざまな肌データを集めて解析するということも可能になります。今後の研究の進化にもつながるのではないでしょうか」

さまざまなかたちへと進化しながらも、変わらない肌へのやさしさを守り続けてきたコンク。浅井は、開発者としての想いをこう語ってくれました。

「86年前、創業者は、『余分なものを取り除き、肌に栄養を与える』という、ゆらぎない技術の根幹を完成させていました。だからこそ長い年月を経ても、コンクは必要とされ続けているのだと思います。私たちの使命は、それを絶やすことなく進化させていくことだと信じています」

※2 :ハトムギ種子エキス(保湿成分) ※3 :ベニバナインゲン種子エキス(保湿成分)

ナリスの歩み、コンクの歴史

ナリスの歩み、コンクの歴史

「あの頃」がここに。
すべてはここから始まった。

ナリスの象徴であり、現代にも受け継がれているふきとり用化粧水「コンク」。ナリス初のコンクが発売されたのは、1937年でした。創業90周年を記念し、発売当時の姿を再現した“復刻デザイン”コンクを、数量限定にて発売。
お届けする“復刻デザイン”コンクには、当時と同じ、アルカリタイプのふきとり用化粧水として、高級スキンケアライン「マジェスタ コンク α」を詰め込みました。どうぞ、激動の昭和の時代と、21世紀のテクノロジーの融合を感じてください。

インタビューの様子はこちらから

公式YouTubeチャンネルでは、インタビュー動画をご覧いただけます。

ぜひ公式LINEのお友達登録をして、
新着記事の通知をお受け取りください。

Follow us on :