2023.01.17

Have confidence in yourself

モデル / 中島沙希さん

Beauty

与えられたものは
私が私を信じる力

中島沙希さんが語る
除いたことで、生まれる余白
vol.11 前編

中島沙希 / モデル

福岡県出身。スカウトをきっかけに高校時代からモデル活動を始める。2017年より活動の拠点を東京に移し、雑誌・広告・WEBメディアなどで活躍。友人のモデル・ソニアから環境問題について教わる中で、“もしも自分の選択が少しでも未来をよくするのなら”というコンセプトのもと、自分にも地球にもやさしくなれる、サスティナブルな情報をシェアするプラットフォーム「EF.」を立ち上げる。2022年には「EF.」として初めてのイベント「ECO FRIENDLY MARCÉ」も開催。2022年の6月には、自身が所属するモデル事務所「TOMORROW TOKYO」が運営するフリースペース「Experiment」のプロデュースも始めるなど表現の場を広げマルチに活動。アートや読書、ドラマ鑑賞など多数の趣味を持つことや、思慮深く、哲学的な思考も注目され、さまざまな媒体で生き方について語る場も増え、反響を呼んでいる。
中島沙希さんのInstagramはこちら

与えられたものは
私が私を信じる力
モデル / 中島沙希さん

「除いて、与える」をテーマに、自由なマインドで生きる人々の胸の内をフォーカス。
軽やかに、ありのままの自分であるためのヒントを探すインタビュー。
言葉は、人を惹きつける引力がある。
そんな風に思わせてくれたのはモデルの中島沙希さんから発せられるフィロソフィー。
彼女が除いたものは
意外にも“人と比べていた過去”。
持って生まれた特別な存在感で表舞台に立つ彼女が
自分を信じる力を得るまでのストーリーとは。

自分という存在のあり方について考え始めた子供の頃

スラリとしたプロポーションに、印象的な瞳。まぶしいオーラに包まれた中島沙希さんは、モデルになるべくしてなった美貌の持ち主であるものの、幼少期には容姿にコンプレックスを持っていたそう。
「背が高いことと離れた目を、自分ではあまり気に入っていない時期がありました。子供の頃からダンスを習っていたのですが、チームでシンメトリーに広がって踊るとき、背が高いとバランス的に後ろか端の配置になるんです。なので“一番前で踊れる子はいいな”って考えてしまったり」

中学3年になり進路を決める時期に入ると、同級生たちが迷いなく学校を選択していく様子を見て“私だけ何もない”と感じてしまったことも。
「同級生のみんなは、明確な夢を持っていて“将来こうなりたいからここへ進学する”という道筋を自分でしっかり立てていたんですよね。そんなこともきっかけになって、この状況を打破しなければという気持ちが芽生えていました。新しい環境へ飛び込む高校進学というタイミングは、嫌だった自分から変われるチャンスだと思いました」

モデルという仕事を通して見えるようになったもの

高校生活はとにかく楽しく、充実していたと話す中島沙希さん。学校生活と両立しながら地元の福岡でモデル活動も始めることになるのですが、スカウトされたのは中島沙希さんにとって予想外の出来事だったそう。
「モデルになるなんて自分の人生の選択肢になかったから、最初はやる気がなかったんです。だけど、親友は“やってみなよ”と背中を押してくれて。あの言葉がなかったら今のわたしはいないですね。本当に感謝しています」

ダンスを続けてきた経験から、スポットライトを浴びることに抵抗はなかったし、表現することも中島沙希さんがもともと好きだったこと。
親友の助言を受け入れ、一歩踏み出したことが、表現者として注目されることとなる中島沙希さんの人生が大きく舵を切った瞬間でした。

「モデルになって気づいたことはたくさんあります。何人かのモデルと組みで撮影することもあるんですが、そんなときは全体のバランスを意識しています。ダンスを習っていたとき、私は後ろで踊ることが多かったけれど、あれはポジションごとに大事な役割があったんだということも理解でき、モデルのお仕事に活きています。コンプレックスだった容姿についても、母はいつも肯定してくれていたし、よく“よそはよそ、うちはうち”と言っていました。それって私がいつも母に、人のことばかり話していたからだと思うんです。母は“人がどうであれ、自分はどうか”ということをずっと問いかけてくれていたんですよね。モデルという仕事を通して、子供の頃の体験が、今に活きるヒントを与えてくれていたんだと分かりました」

表舞台に立つ責任感が自分を信じる力を育んだ

仲の良いヘアメイクさんからの印象に残っている言葉があります。
「カメラの前に送り出すときは“いってらっしゃい”と思うけれど、いざ行ってしまうと、“子供を送り出したような少し寂しい気持ちになる”って。そして、帰ってきたら“おかえり”ってほっとした気持ちになるというお話を伺いました。1枚の写真を撮るために、多くの人が関わっているけれど、表に出るのは私ひとり。私はいろんな人の思いを受け取って最後にそれを表現する役目なんだって思うんです」
最後にバトンを受け取っている、という責任感があるからこそ、中島沙希さんは、現場で話し合ってもクリアにならない部分があれば、貪欲にセッションすることをいとわないそう。

「そうやって自分の意見をしっかり伝えられるようになったのは、きっとモデルという仕事に出会い、自分を信じられるようになったからだと思うんです」

カルチャーの中に自分を高めるための足掛かりを探す

中島沙希さん自身のSNSでの発言や、モデル友達のソニアさんとエシカルな情報を発信するために立ち上げたプラットフォーム「EF.」なども、大切な表現の場。

そしてこの数年は、自分の考えをインタビューで話す機会が増えたという中島沙希さん。
「目標としていた雑誌にも出演することができて、 “中島沙希ってどんな人間なんだろう?”と興味を持ってくださる方が増えてきたタイミングで、次の目標として自分が思っていることを発信できたらなとは考えていたんです。なので今、すごく幸せです。」

ときに哲学的な中島沙希さんの言葉は、アートや本などからも影響を受けている。

「本やドラマのセリフなどで気になった言葉を携帯にメモするようにしているんです。友達から悩み相談を受けたときも自分の人生だけでは伝えきれないことも多く、“こんなセリフがあったよ”って心に残る作品の言葉を、気持ちが楽になるよう伝えることもあります。」

また、子供の頃から絵を描いたり何かを作ったりするのが好きだったという中島沙希さん。
「福岡から東京へオーディションを受けにいくときは、必ず美術館にも立ち寄るようにしていました。アートには言語化できない、心でしか受け取れない広がりがあるのがすばらしいところ。本を読むことも好きで、特に自己啓発本やエッセイなど、ノンフィクションが好き。その人の生き様をすみずみまで知ることができるから、本ってとても贅沢なものだと思うんですよね。綺麗な模様のレターセットが好きというのもあるけれど、贈り物にメッセージを添えたり、友人と文通するなど、温かな言葉のやりとりを交わす機会も絶やさないようにしています」

“人と比べない”ことで与えることができた“自分を信じる力”は、中島沙希さんの豊かな感性に彩られ、自分軸で生きる説得力のある言葉として多くの人に届いている。

後編では、哲学的な思考を持つ中島さん流の人との付き合い方についてたっぷりお話を聞かせていただきます。

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Staff

Photographer : Go Kakizaki

Writer:Ai Watanabe
Editor : Ayano Homma ,Marika Tamura (Roaster)
Director : Sayaka Maeda (FLAP,inc.)
Assistant Director : Mone Murata (FLAP,inc.)

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