長尾悦美さんが語る
除いたことで、生まれる余白
vol.06 前編
長尾悦美 / 高島屋ウィメンズファッションクリエイティブディレクター
生花の彩りと息遣いに触れ、
美的感覚を揺さぶる
ファッションクリエイティブディレクター / 長尾悦美さん
自分だけのオリジナルな空間は、心地よくて飽きない
物件リサーチをするのが好きだという長尾悦美さん。間取りにピンときて最近引っ越ししてきたばかりのマンションは、最上階の角部屋で日当たり良好。空間も広くなり、以前の家にも増して快適な暮らしを手に入れました。
「リビングダイニングとリビングが、別空間だけどつながっているという面白いレイアウトが気に入りました。空間を生かすというのは仕事でもお店を作っているので、一癖ある間取りのほうが自分らしい部屋にできるのではと思って。実際に暮らし始めるととても居心地がよくて、想像以上にゆったりした生活が送れています」
インテリアについても、ファッションとおなじようにコーディネート。
「カテゴライズしないことが私のこだわり。年代、国、ヴィンテージや新品のものなどをミックスし、さまざまなマテリアルの組み合わせで、自分の好きなバランスに。そうして作った自分だけのオンリーワンな空間が、癒しをもたらしてくれるんです」と、長尾悦美さん。
蜂のお腹をモチーフにしたというリーンロゼ トーゴのソファや、ダイニングで使っているナナ・ディッツェルのチェアがお気に入り。
「日本の住宅って無難な色の家具を選びがちだと思うのですが、このソファは高さがない分、大胆な色使いや柄でもまとまりがいいんです。チェアの方は、デザイナーがキューバの古都、トリニダードを旅したときにインスパイアを受けたものをデザインに落とし込んだという話を聞いて、私自身もその街へ行ったことがあり縁も感じて購入しました」
花の手入れをすることで暮らしに充実感が生まれる
子供の頃から、花に触れる機会が多かったという長尾悦美さん。
「母も花が好きで、家には庭もありましたし、花を飾る習慣がありました。お墓参りにいくときに花を摘んでまとめるのが私の役割だったので、大人になって一人暮らしをする今も、花に愛おしさを感じ、飾る習慣が根付いています」
家に置くのは生花にするというのも、長尾悦美さんの家作りの大切なポイントだそう。
「昔はドライフラワーを飾ることもあったのですが、きっぱりとやめました。家の中に生きている色彩があると、空気がフレッシュになるんです」
色や質感から花の個性を見極めてフラワーベースを選んだり、どのスペースに飾るかを考えるのも楽しい瞬間。生けられた花たちも、美しく演出されることを喜ぶかのようなオーラを醸し出しています。
「花のコーディネートも、ファッションと同じ感覚です。ドライフラワーは置いておくだけでいいですが、生花は毎朝お手入れしてあげないといけないですよね。きちんと世話してあげれば長くきれいでいてくれます。そういった一手間が、暮らしを豊かにしてくれるものだと思います」
いやし、彩り、感覚を磨いてくれる生花
インテリアの中からドライフラワーを“除いて”生命力あふれる生花のみを空間にプラスしていく。みずみずしい植物がすぐそばにある暮らしは、長尾悦美さんの美的センスのアイディアの元にも。
「部屋に似合うことだけでなく、四季に合わせたり、その日遊びに来る友人をイメージして活けることもあります。生花に触れることは、色彩などの感覚を刺激してくれるので、ファッションの仕事をする上でもとても役に立っているなと感じます」
落とすことに着目したスキンケアで美を磨く
ファッションと同じように空間をスタイリングする長尾悦美さん。自分らしいこだわりを持つことは、衣食住を充実させることだと語ります。それは、普段のスキンケアについても同じこと。
「ふきとり化粧水で土台をすっきりクリアにしてから、ブースターを使って化粧水を肌に入れていくステップは昔から大切にしていることです」
触れていて気持ちよく使えるものにも惹かれます。
「マジェスタ マッサージングパック EXRS ゴールドはお風呂の中で湯船に浸かりながらのリラックスタイムに使います。ほどよい硬さのテクスチャーなのでパックしても液体が垂れてくることもなくて落とすまで心地よく使えます。ローズの華やかでフレッシュな香りも素敵」
確立したセンスを持つ長尾悦美さんの美しさを支えるものも、“除いて、与える“スキンケア。
大好きな花の香りに包まれて、肌に触れ、心を解きほぐすこの時間も、感覚を研ぎ澄ませるのに必要なことなのです。