2024.00.00

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花作家 / 森直子さん

People

花作家・森直子さんから教わる生命の尊さと大切さ

人生には理由がある
vol.05 花作家 / 森直子さん

森直子

13歳で華道を始め、証券会社勤務を経て、25歳で華道教室を開く。
子育てのため6年間の活動休止後、1999年「Haruフラワーデザインスタジオ」を設立。華道教室とフラワーデザイン認定校を主宰の傍ら、ネットショップと大型スーパー花ブースにて作品販売。教室開業者支援や花店舗就活支援、花講座講師業を多数斡旋。プリザーブドフラワーブーケコンテスト受賞者を輩出。自らもフラワーデコレーター協会認定校優秀主催者賞、及び華道家元池坊橘賞 受賞。精神障害福祉施設での作品制作就労支援、花の産地表示や地産地消活動、花で子供たちの生きる力を育てることに、取り組む。花の組織をすべて引退し現在はフリーで活動している。独特な手法による花創作や即興花パフォーマンスを得意とし、メディア、講演などで、「花が持つ潜在効果」を伝え「自然と人との共生」を提案している。

花作家・森直子さんから教わる
生命の尊さと大切さ
花作家 森直子さん

ときには、表現者として。ときには、指導者として。
花を通して命の大切さを伝える活動をしている花作家・花育家の森直子さん。

彼女が花に魅せられ仕事として選んだのは、
花に人の心を動かすエネルギーがあったからだといいます。
暮らしに彩りを添える花のパワーや取り入れ方をうかがい、
花と私たちの関係を考えていきます。

ー花も人も、みんな違って、みんないい。

学生時代は友人の誘いで華道部に入部したり、社会人になって証券会社に勤めていた時も先輩に誘われて生け花教室に通っていたりと、昔から何かと花に縁のある生活を送っていたという森直子さん。25歳のときに会社員を辞めて、花の世界へと突き進むことになります。

現在、森直子さんの活動の軸となるのが、子どもたちに花と触れ合ってもらうことで、慈しみの心を育むという教育活動の「花育」。そのきっかけは、今から十数年前、自身の子どもたちが心無い行為を受けたとき、慈しみの気持ちや区別と差別の違いを、花を通して世の子どもたちに伝えたい、と感じたからでした。


花育では、この世に存在するものすべてに優劣はなく、尊重し合うことが大切であることを、実体験を通して学ぶことができます。バラが好きな人もいれば、コスモスが好きな人もいる。ヒマワリが好きな人もいる。好みは10人いれば10通りあります。次に、「では、どの花が一番素晴らしいですか?」と投げかけます。そのとき、とある回答が出るまで森直子さんは待つといいます。“どの花もみんな素晴らしい”とーー。

ー花を通して生命の大切さを伝えたい

森直子さんは、花の命の循環を通じて命のありようを身をもって体験し、生命の大切さを学んでもらいたいとも願っています。

「根から離れた花は、いくら水をやっても必ず枯れるときがきます。でも枯れてごみになっても、“燃えて煙になり、雲になり、雨になり、私たちの恵みの水になるから”とお話しすると、枯れたら終わりじゃないって自分のやることに責任を持つんです。実際、本当に枯れた花をプランターに埋めて、また種を撒いて花を育て、花束を作って持ってきてくれた女の子がいました。当時は、私の活動はなかなか理解されず、収入全てつぎ込んで活動しており、お金がなくてやめようと思ったこともありましたが、“命の循環を理解してくれている子どもたちがいるんだ”と感動を覚えた瞬間でした」。

森直子さんの活動でもう一つの軸となるのが、花作家として自然界と花の生命の融合をテーマに、切り花を使ったアート作品を生み出すことです。なぜ、私たちはこれほどまでに切り花に心を動かされるのでしょうか? その答えは、私たち人間と切り花の命が類似しているからだと森直子さんはいいます。

「切り花は、ハサミをいれたその瞬間から新しい命を生きます。そう、生命力の根源である根を絶たれても、懸命に生き続けるのです。このように、限りある命を全うしようとする姿は、私たち人間とよく似ています。だから私たちは、切り花が強く、誇らしげに咲く姿に、感情を揺さぶられるのでしょう。切り花は文化であり、芸術であり、そして何よりも私たちに命の尊さを教えてくれているのです」。

自然と融合する生け花がテーマ。「この地に元々存在する木々や植物に、私が持ち込んだ白樺の木、ヒマワリ、ヤシ葉、鏡などの人工物を組み合わせて、大自然と人間の調和・融合を表現。これからも自然とともに生きていく”という強いメッセージを込めています」。

ー生け花はしきたりやルールよりも、愛でることが大切。

花は懸命に生きる姿を通して、私たちにパワーを与えてくれる存在です。「花はいつでも私たちにチカラをくれます。疲れているときでも花をいけると元気になりますし、煎じて飲めば薬にもなります。米国の医学博士・アンドルー ワイル氏※も、“体調が悪いときは公園に出向いて、植物の力で自然治癒力を引き出しなさい”と提唱されているほどです」。日常に花という彩りをプラスするだけで、生活が華やかになり、フレッシュな気持ちを呼び起こさせます。

とはいっても、特に何もないのに部屋に花を飾るなんて、ちょっぴりハードルが高く感じてしまうのも本音。そんな人は、肩の力を抜くことから始めてほしいといいます。

「みんな難しく考えすぎじゃないですか? 花を飾るのに背伸びをする必要はありません。花を飾る基本のきは愛でることです。美しく見せようとか、こういうイメージに仕上げようとか、それはプロに任せてください。花の知識やいけ方よりも、みなさんの花に向き合う姿勢こそが本質です。手にする花が、市場や花屋で購入したものなら、生産者さんが“多くの人に愛でられますように”と手塩にかけて育てた花に違いありません。だから、存在そのものを喜ぶだけでいいのです。家に迎えて、ニコニコ微笑んで一緒に生活してあげることが、花にとって一番の幸せだと思います」。

花の命を預かり、花から生きるパワーや数多くの出会いをもらってきたという森直子さん。「花ってこんなに素晴らしいものなんだよ」。そのことを、多くの人に伝えることが彼女の使命です。

※アンドルー ワイル アメリカ合衆国の健康医学研究者、医学博士。中医学などの代替医療を取り入れ、人間に本来備わっている 自然治癒力を引き出すヘルスケアシステムを提唱。

森直子さんに教わる、お花の楽しみ方

「重く感じる花は、高さが低めの花器を選び、茎を花器のふちギリギリの高さになるように切ります。対して軽く感じる花は、スリムな花器に合わせて高さを出しましょう。複数の花を飾るときは、三点置きがの基本。重く感じるもの、中くらいに感じるもの、軽く感じるものの三点を飾るとバランスがとれます」。
“先端にいくほど軽く長く、手前ほど重く”がスワッグ作りの基本。「スワッグは生花で作成し、そのまま置いておけば乾燥してドライフラワーにもなります。晩夏から秋にかけての乾いた質感の花はスワッグ向き。ドライフラワーにされる場合は、風通しがいい日陰を選んで飾りましょう」。
生花ハサミは、新潟県三条市のハサミ職人が作ったもの。ハガネを型打ちし、研磨を繰り返す昔ながらの方法で作られており、森直子さんの手の一部のようになじんでくれるそう。

「製品全体を通して、誠実に製品開発をされているメーカーだと感じました。配合されている成分もシンプルで、ナチュラル。長年愛され続けている、信頼のできるメーカーだという点に共感を持っています。そんな私が特に気に入ったのが、コンク(ふきとり用化粧水)です。コットンにつけて肌にすべらせたとき、汚れがすっきり落ちる感覚が気持ちよくて。これまでピーリング系の製品に苦手意識を持っていましたが、取り除くことの心地よさ、大切さを教えてくれた製品でした。リピート買いは確実です! また、アッサンブラージュのモイストラスターシャンプー RMとモイストラスタートリートメント RMは、摘みたての生バラそのものの香りがして、“理想のバラの香りに出会えた!”と感激しました。花は、飾ることで私たちにパワーをくれますが、同じように、いいスキンケア製品も大きな支えになってくれるのだと思います」。

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