2022.06.21

Age doesn't matter

競輪選手 / 高松美代子さん

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何かを始めるのに、
“遅すぎる”なんてない。

人生には理由がある
vol.04 競輪選手 / 高松美代子さん

高松美代子

元女子競輪選手。1962年大阪府生まれ。プール学院短大卒。水泳、トライアスロンなどを経験後、自転車のロードレースに転向。「東京→糸魚川ファストラン」にて女子のトップタイムをはじき出して以来、数々のレースで優勝を重ねる。2011年、日本競輪学校の女子第1期生に。2012年7月にデビュー戦を迎え、同年12月の高松競輪場で初勝利。ガールズケイリンのプロ1期生として女子選手の最高齢50歳でデビュー、全国を転戦し最年長の女子選手として活躍した。2013年の勝利はガールズケイリンにおける最高齢勝利記録(51歳2か月)。
2017年4月現役引退。現在は日本競輪選手会指導訓練課に所属。裏方としてガールズケイリンのサポート業務を行っている。プライベートでは35歳と32歳の2人娘の母。秋にはお孫さんが誕生予定。

何かを始めるのに、“遅すぎる”なんてない。
競輪選手 / 高松美代子さん

年齢はただの数字。
何かを始めるのに、遅すぎるなんてない。
“挑戦は何歳からでもできる”と語るのは、
子育てが一段落した37歳でロードバイクに乗り始め、
50歳のときにプロ競輪選手としてデビューを果たした高松美代子さん。

その生き方についてお伺いしました。
その歩みや言葉には、やりたいことへの飽くなき探究心が感じられました。

専業主婦が50歳で最高齢のプロ競輪選手に

「名前がその人を区別するものなら、年齢はその人の生きてきた年数を表すだけのもの。何かを始めるのに、まだ早いとか、遅すぎるなんて決してありません。いま始めてもいいし、明日始めてもいい。“やりたい”と思ったときが始めどきです」
2011年に最高齢の49歳で日本競輪学校(現 日本競輪選手養成所)へ入学。平均年齢27歳という仲間たちと寮生活を送り、50歳のときにプロ競輪選手としてデビューを果した高松美代子さん。

そんな彼女が、ロードバイクに乗り始めたのは37歳のとき。それまでの自転車との結びつきといえば、専業主婦として過ごした20代後半から30代前半まで、2人の娘を幼稚園に送り迎えするためにママチャリで毎日数十km走っていたこと。次女が小学校に入学し、子育てが一段落した頃からマラソンやトライアスロンの大会に参加するようになったといいます。自転車もそのひとつでした。

「自転車を始めた頃に、自転車クラブに入りました。クラブの友人から鎌倉に行こうと誘われたことがあって、そのとき自宅から鎌倉まで往復90kmもの距離がありましたが、“電車を使わなくてもこんなに遠くまで行けるんだ!”と感動しました」

自転車との関わりが増える中で、どんどん自転車の魅力にのめり込んでいった高松美代子さん。
「48歳のときに、とある自転車の大会で若い参加者に負けてしまい、もっとトレーニングしたい、もっと強くなりたいと思いました。そんな折、ガールズケイリンの復活を知り、挑戦したら自転車三昧の毎日が送れるとポジティブな気持ちを持てたんです。それが、最高齢で競輪学校へ入学したきっかけです」。

自転車は一台持ち。超軽量で全国津々浦々を一緒に旅するパートナー的存在。必需品のサイクリングボトルのみを取り付けたシンプルなスタイルで走行。

小さな目標をクリアする喜びが自信や確信につながる

「自転車は趣味のままでもいいかなぁ…とか、競輪選手を目指すにあたり迷いもありました。私が第二の人生に競輪選手を選べたのは、家族の応援も影響しています。競輪学校に入学したい旨を娘に話したとき、“受けなかったら合格しないけど、受けたら合格するかもしれない。だから好きにすればいい”と背中を押してくれたんです。“それならやってみよう”とポジティブな気持ちになれました」

高松美代子さんの挑戦はあくまでもワクワクの延長線上。“楽しそう”“やってみたい”と思ったときはつい行動に移してしまう、そのフットワークの軽さが今につながっています。

「私が大切にしているのは、毎日ちょっとした自分の成長を見つけること。レースひとつをとっても、最初から長い距離を走ろうとするとハードルが上がってしまいます。まずは短い距離からスタートして、できたら自分を褒めながら徐々に距離を長くしていくことがポイント。小さなきっかけをクリアするごとに喜びが味わえますし、次の目標があるとモチベーションだって上がります」

自分を肯定することでモチベーションアップを図っていた高松美代子さん。同時に、応援してくださる方たちへの感謝の気持ちも大切にしていたといいます。

「競輪=個人競技と思われがちですが、自分ひとりで成り立つ競技ではありません。食堂のスタッフさんや宿泊所を管理してくださる方、そして応援してくださるお客様たち……。多くの方たちに支えられているからこそ、選手は安心してレースに臨むことができるんだと強く感じています。だからこそ私は、感謝の“か”、聞く耳を持つの“き”、工夫の“く”、謙虚の“け”、向上心の“こ”の“かきくけこ”をモットーにしていました。素直にアドバイスを聞ける選手は上達が早いですし、個人競技だからこそ自身で計画を練って練習に臨む必要があります。また、向上心は何をするにしても不可欠です。指導する立場になった今、若い選手たちにいかに“かきくけこ”が大切かを伝えています」

“好き”を見つけたときがチャンス!

2017年4月に引退後も、自転車を楽しみ続けている高松美代子さん。現在の目標は、アメリカ大陸横断レース「RAAM※」を仲間たちと完走することだといいます。

「その予行練習として、『第2回 青森一周650km』に4人のチームで出場しました。これまでは、レース=自分との戦いだったので、苦しいときに声をかけてくれる人がいること、逆に、声がけが仲間の奮起につながることが新鮮でした。“チームも楽しいじゃん”と新しい目標を見つけることができました」

なぜ高松美代子さんは年齢の壁をものともせず、新たな目標に向かってチャレンジし続けることができるのでしょうかーー。
「よく“理想を形にできてすごい”と言われますが、全然そんなことはありません。最近も、ピアノを始めようと試みましたが、“忙しいから”と理由をつけてさぼってしまったり。まだまだ理想の自分とはほど遠いと感じています(笑)。“好きこそものの上手なれ”という言葉がありますが、心から好きなことこそ突き詰めることができるんでしょうね。だからみなさん、やりたい気持ちさえあれば、大丈夫に決まっています。これからの人生で今が一番若いのですから、“やってみたいと思ったときがチャンス!”です」

※RAAM:Race Across AMerica の略称。カリフォルニア州サンタモニカから、ニューヨーク州ニューヨークシティまでの2968マイルを走り抜く、世界で最も長い自転車タイムトライアルレース。

高松美代子をかたどる3つのコト

「感謝」
毎月1日、15日に神社を参拝するのが習慣。無事に過ごせた感謝の気持ちを伝え、これからも何事もなく過ごせるように祈念するそう。「参拝を始めてからは、小さな幸せに気付き、感謝できるようになりました。本当に些細なことですが、今朝何も考えずにホームに行くと、ジャストタイミングで電車が到着したり。このように感謝することで、より感謝することが増えてくるんです」
「食事」
一年前から始めた玄米食。無農薬の玄米を、食事内容に合わせて分づきを調整して精米するのがこだわりだとか。「日本人の身体に合った昔ながらの食事を意識し、味噌や納豆、ぬか漬けなどの発酵食品も積極的に摂るようにしています。玄米を食べるようになってからはお腹が満たされるからか、おやつを食べる回数が減りました」
「自転車の楽しみ方」
自転車の魅力といえば、徒歩では億劫に感じる“ちょっと遠出”ができること。その際も、ワクワクする目標を見つけるといいといいます。「目標を作るなら、おいしいものを食べに行くことが一番。徒歩では遠いと感じる距離を、名物を目指して走るのがお勧めです。私個人としては、春は荒川や多摩川サイクリングロードの桜並木と菜の花のコラボコースを走るのが好きです。季節を感じながら走ると気持ちいいですよ」

高松美代子さんのお気に入りアイテム!

お母様がご愛用されていたこともあり、子供の頃からナリス化粧品をご存知だった高松美代子さん。
改めて使っていただき、特にお気に入りだった製品をピックアップしてもらいました。

「母が愛用していたこともあって、ナリス化粧品の製品には昔からなじみがありました。中でもコンク(ふきとり用化粧水)は、母が洗顔後、化粧水を塗布する前に使用していて、“スキンケアには欠かせないアイテム”と話していたのを覚えています。それこそ55、6年前の話ですから、今もヒット商品として愛され続けているのがすごいなぁと感じました。特に気に入ったのは、マジェスタのクリーム。付属のヘラでクリームをとったとき、こっくりと濃厚なテクスチャーに驚きました! ナチュラルメークとUVカットが1本で叶うBBクリームもお気に入り。薄づきで伸びがよく、肌にしっかりとフィットしてくれる感じがします。娘と“あれがいい”“これがいい”と言いながら楽しんで使いました」

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