「ぐっすり眠る」状態とは?

睡眠について教えてくれるのは、睡眠専門医の白濱龍太郎先生。
「ぐっすり眠るとは、〝深睡眠〟がよく取れている状態のことです。みなさんが聞いたことがあるであろうノンレム睡眠とは深い睡眠のことで、眠りの深さによって1〜3のステージに分かれています。中でもステージ3の最も深い眠りが〝深睡眠〟で、眠って4時間以内に“深睡眠”を2回以上取れるかどうかが、ぐっすり眠れるかどうかのカギになります。

今回は、その状態に早く導く1日3分間の〝快眠ストレッチ〟をご紹介します。このストレッチは、〝内臓など、身体の深い部分の体温(深部体温)が下がると眠気が起きる〟〝副交感神経の働きが優位になり、身体がリラックス状態になると眠気が起きる〟という身体の特徴を利用したものです。深睡眠を取ることができれば、疲れにくく健康な身体になれますよ」

朝まで快眠!
深睡眠をもたらす
「ぐっすりストレッチ」

【1分間 首もみストレッチ】

入浴時(寝る1〜2時間前がベスト!)に行う、深部体温を上げるストレッチ。首のコリを解消することで血行を促進し、深部温度が上がりやすくなります。湯船に浸かって行っても◎。

シャワーで、ほんの少し熱めのお湯を首の後ろに当てる。親指以外の指を組んだら、首の横のくぼみを親指で軽くつまみ、手を上下にゆっくりと動かす。これを1分ほど行う。

【1分間 腕回しストレッチ】

肩甲骨、腕には、深部体温を上げてくれる褐色脂肪細胞が多く存在します。ここをストレッチし刺激することで、深部体温をさらにUP!

腕を曲げ、脇を開いてひじを上に上げます。肩甲骨を寄せるようなイメージで、腕を後ろに向かって大きくゆっくり回す。

ひじが身体の前にきたら、手を組み、前方に腕を伸ばす。

そのまま頭の上まで持ってきてグッと伸ばし、2秒間ほどそのままキープ。手を下ろして、①〜③の流れを、1分かけて5〜6回行う。

【1分間 足首曲げ深呼吸】

ベッドやふとんの中で行う、副交感神経を高めてリラックスするストレッチ。ここで深部体温を下げ、眠気を誘います。

3秒くらいかけて鼻からゆっくりと息を吸うと同時に、足首を手前にぐっと曲げる。

口をすぼめ、3〜5秒ぐらいかけてゆっくりと息を吐き切り、足首を元の位置まで戻す。①〜②の流れを1分ほどくり返す。

+αでやりたい! 快眠Tips3

眠る前にブルーライトに触れると、体内時計を乱してしまう可能性が。携帯電話でアラームをかける方は、眠る前でなく帰宅後すぐに行いましょう。

いい睡眠のためには、ある程度の身体の疲労も大切です。10分程度でもいいので、毎日ウォーキングや縄跳びなどをしましょう。

目が疲れると、自律神経の働きに影響を及ぼし、良い眠りが得られなくなります。そんな時は、500Wの電子レンジで1分間温めた蒸しタオルを。目の周りの筋肉の緊張を緩めましょう。

繰り返しストレッチすることで、脳が「このストレッチをした後で眠りに入る」と学習し、さらに睡眠の質が良くなります。まずは2週間続けてみましょう!

白濱龍太郎さん

睡眠専門医。「RESM新横浜」院長。海外の研究事情にも詳しく、1万人を治療してきた睡眠の名医。著書に『睡眠専門医が考案したいびきを自分で治す方法』、『ぐっすり眠れる×最高の目覚め×最強のパフォーマンスが1冊で手に入る熟睡法ベスト101』(アスコム)など。